Fascin-1は54KDaのアクチン結合タンパクであり,生理的および病的な状態下で細胞運動に重要な役割を果たしている。犬線維肉腫は周囲への浸潤傾向が強く,外科的出後にも局所再発が多発する腫瘍であり,Fascin-1との関連性が強く示唆されている。 今回,犬線維肉腫の病理組織切片を用いて免疫組織化学染色でFascin-1の発現を高度に認めている。また,犬線維肉腫細胞株においてsiRNAを用いて抑制させたところFascin-1は抑制されたとの結果が得られた。以上よりFascin-1は治療の標的として可能性があることが考えられる。
|