本研究では、個体発生を支える神経堤細胞(NCCs)が個体成長を促進する インスリン・インスリン様シグナリング(IIS)の働きをどのように利用し胚の成長遅滞や追いつき成長がおこるのかゼブラフィッシュを用いた実験系により調べた。その結果NCCsでは低酸素状態でもIISの活性が最低限維持されており、このことがNCCsの生存及び追いつき成長の達成に必要であることが分かった。また、次世代シーケンサーを用いた解析から、胚の成長遅滞と追いつき成長で発現が変動する新しい成長関連遺伝子を見出した。これらの成果は、胎生期の成長阻害に端を発する様々な生理的変化を理解することの一助となることが期待される。
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