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2016 年度 実績報告書

生体中核酸系シグナル分子を標的とする水中での特異的捕捉反応プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K18831
研究機関九州大学

研究代表者

渕 靖史  九州大学, 薬学研究院, 助教 (40748795)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード分子認識 / 捕捉分子 / 8-ニトログアノシン / 8-チオグアノシン / 8-オキソグアノシン
研究実績の概要

本研究では生体中核酸系シグナル分子を標的とする水中での特異的捕捉反応プローブの開発を行った。まずシグナル分子として8-ニトログアノシン体と8-チオグアノシン体を標的とした捕捉モデル反応分子を検討した。これらグアノシン誘導体を認識する部位として1,3-ジアザフェノキサジン骨格を利用し、8-ニトログアノシンに対してはチオール基を、8-チオグアノシン体にはクロロアルキル基を導入した機能性分子を設計し、合成した。標的分子に対する捕捉反応を有機溶媒中で検討した結果、それぞれのグアノシン誘導体に対して、水素結合錯体形成を介した非常に効率的に共有結合捕捉できることが示された。8-ニトログアノシンに対する捕捉分子“nitroG-Grasp”については、速度論的解析も行っており、チオールまでのリンカー部の自由度とチオールpKaが反応性を決定していることが判明した。この結果を基にジオキサン環やベンジル基を導入した誘導体を新たに設計・合成した。これらについても8-nitorGに対して捕捉反応を調べた結果、pH7の緩衝液を混合した条件下でも効率的に反応することが示され、捕捉反応部位として有用であることが分かった。最終的にはリン酸認識部位も導入することで、シグナル分子である8-nitro-cGMPの共有結合捕捉分子へと展開する予定である。リン酸結合部位を検討する中で、1,3-ジアザフェノキサジン骨格にサイクレン-亜鉛錯体を導入した分子が、水中において8-オキグアノシントリリン酸(8-oxo-dGTP)に対して特異的に蛍光消光することを発見した。この性質を基に、有用な8-oxo-dGTP検出プローブ(8-oxoGTP Receptor)を開発することに成功した。以上のように本研究では、水中での特異的捕捉反応プローブの創製を目指す中で、新たな機能性分子への展開可能性を見出した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Synthetic Receptor Molecules for Selective Fluorescent Detection of 8-oxo-dGTP in Aqueous Media2016

    • 著者名/発表者名
      Fuchi, Y., Fukuda, T. and Sasaki, S.
    • 雑誌名

      Org. Biomol. Chem.

      巻: 14 ページ: 7949-7955

    • DOI

      10.1039/C6OB01485B

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 最新のトピックス「化学反応性を獲得した核酸-酸化的に化学修飾されたグアノシン誘導体」2016

    • 著者名/発表者名
      渕 靖史、佐々木 茂貴
    • 雑誌名

      月刊「化学」-化学同人

      巻: 71 ページ: 70-71

  • [学会発表] 長寿命蛍光による 8-oxo-dGTP 検出を目指したランタノイド錯体の開発2017

    • 著者名/発表者名
      〇福田 高志、渕 靖史、佐々木 茂貴
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      2017-03-24 – 2017-03-27
  • [学会発表] 長寿命蛍光による8-oxo-dGTP検出を目指したランタノイド錯体の開発2016

    • 著者名/発表者名
      〇福田 高志、渕 靖史、佐々木 茂貴
    • 学会等名
      第33回日本薬学会九州支部大会
    • 発表場所
      鹿児島県鹿児島市
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] 水中での8-oxoGTP検出を目的としたジアザフェノキサジン―サイクレン亜鉛錯体の創製2016

    • 著者名/発表者名
      〇渕 靖史、福田 高志、佐々木 茂貴
    • 学会等名
      第46回複素環化学討論会
    • 発表場所
      石川県金沢市
    • 年月日
      2016-09-26 – 2016-09-28
  • [学会発表] 8-oxodGTPを特異的に認識する蛍光性ランタノイド分子の開発2016

    • 著者名/発表者名
      〇福田 高志、渕 靖史、佐々木 茂貴
    • 学会等名
      第53回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      福岡県北九州市
    • 年月日
      2016-07-02 – 2016-07-02
  • [学会発表] 酸化損傷ヌクレオチド8-oxo-dGTPの特異的検出を目指した亜鉛錯体分子の開発2016

    • 著者名/発表者名
      〇渕 靖史、佐々木 茂貴
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第11回年会
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-17

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公開日: 2018-01-16  

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