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2017 年度 実施状況報告書

アゾール類の多様な誘導体合成法の開発と機能性化合物合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K18840
研究機関近畿大学

研究代表者

中村 光  近畿大学, 薬学部, 助教 (50706629)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード有機合成化学 / 転位反応 / 複素環合成
研究実績の概要

含窒素芳香族複素環の合成法の開発研究として、3-アシルインドール類とアザイソフラボン類の合成に取り組んだ。カルコン上の置換基を適切に選択し、まず超原子価ヨウ素試薬を利用した転位反応によりアセタール類を生成する。その後、環化反応を行うことで複素環を合成する手法として報文にまとめた。一般的なフリーデルクラフツ反応では合成が困難とされていた電子豊富な3-アシルインドール類は転位から環化までをワンポットで行うことで、高収率で目的のインドール類が得られた。本手法を、生物活性を示す化合物への合成に応用した。一方アザイソフラボン類もワンポット化の検討を種々行ったが、生成物の結晶性が高く、精製方法を考慮し中間体を一度単離する手法を最適とした。これまでにカルコンの転位反応の報告例は複数あるものの、得られるアセタール体を利用した反応は少数に限られていたため、転位体の新たな活用法とすることができた。また含窒素芳香族複素環だけでなく、ベンゾフラン類の合成も行った。ベンゾフラン類の検討過程において、反応条件により2種のベンゾフラン類を選択的に合成する反応条件も見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していたカップリングの反応はうまく展開することができなかったが、超原子価ヨウ素試薬を利用した別の合成法に移行することで窒素芳香族複素環類の合成法を報告することができた。本手法はさらにベンゾフラン類への合成法に応用している。他にも転位反応を利用した複素環の合成法としてケトキシムを利用した1,5-二置換テトラゾールの合成法を開発したが、複雑な化合物への応用が達成できていない。

今後の研究の推進方策

今年度の研究遂行途中で見出したベンゾフラン合成の中間体合成に改善の余地を残しているため予定に遅れが生じた。しかし、添加剤を工夫することで収率改善の目処が立っている。研究期間を1年延長し、別法の検討も行い目標を達成する。

次年度使用額が生じた理由

本年度の研究生を報文でまとめることができたが、研究過程で派生した反応が見つかったので、これを論文の形式で報告するために追加の実験を必要とするため。延長期間中に論文の投稿は終えられる予定です。
また最終年度に計画していた国際学会での成果報告が未達成であり、延長期間中に実行する計画です。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Hypervalent Iodine-Mediated Beckmann Rearrangement of Ketoximes2018

    • 著者名/発表者名
      Maegawa Tomohiro、Miki Yasuyoshi、Oishi Ryohei、Segi Kazutoshi、Hamamoto Hiromi、Nakamura Akira
    • 雑誌名

      Synlett

      巻: 29 ページ: 1465~1468

    • DOI

      DOI: 10.1055/s-0037-1609686

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A mild method for synthesizing carboxylic acids by oxidation of aldoximes using hypervalent iodine reagents2018

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Akira、Kanou Hodaka、Tanaka Junki、Imamiya Akira、Maegawa Tomohiro、Miki Yasuyoshi
    • 雑誌名

      Organic & Biomolecular Chemistry

      巻: 16 ページ: 541~544

    • DOI

      10.1039/C7OB02858J

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Construction of Azaisoflavone Derivatives by Hypervalent Iodine Reagent-Mediated Oxidative Rearrangement of 2’-Nitrochalcone2018

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Akira、Takane Reo、Tanaka Junki、Morimoto Junya、Maegawa Tomohiro
    • 雑誌名

      HETEROCYCLES

      巻: 97 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.3987/COM-18-S(T)51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of 3-acylindoles by oxidative rearrangement of 2-aminochalcones using a hypervalent iodine reagent and cyclization sequence2017

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Akira、Tanaka Satoshi、Imamiya Akira、Takane Reo、Ohta Chiaki、Fujimura Kazuma、Maegawa Tomohiro、Miki Yasuyoshi
    • 雑誌名

      Organic & Biomolecular Chemistry

      巻: 15 ページ: 6702~6705

    • DOI

      10.1039/C7OB01536D

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transformation of Methylene Acetals to Bromoformates with a Combination of Trimethyl(phenylthio)silane and N-Bromosuccinimide2017

    • 著者名/発表者名
      Maegawa Tomohiro、Nogata Misa、Hirose Yuuka、Ohgami Shun、Nakamura Akira、Miki Yasuyoshi、Fujioka Hiromichi
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 82 ページ: 7608~7613

    • DOI

      10.1021/acs.joc.7b00776

    • 査読あり
  • [学会発表] カルコンの転位反応を利用した3,4-二置換イソオキサゾール類の合成研究2018

    • 著者名/発表者名
      中村光,嘉瀬泰仁,木根燈子,上西春奈,前川智弘
    • 学会等名
      日本薬学会 第138回年会
  • [学会発表] カルコンの転位反応を利用した複素環の新規合成法開発2017

    • 著者名/発表者名
      中村 光、田中智士、今宮彰良、坂井田楓、高子怜大、三木康義、前川智弘
    • 学会等名
      第15回次世代を担う有機化学シンポジウム
  • [学会発表] Beckmann型の転位反応を利用した1,5-二置換テトラゾール類の合成研究2017

    • 著者名/発表者名
      中村 光、柳綾沙美、森下かんな、前川智弘
    • 学会等名
      第67回 日本薬学会近畿支部総会・大会
  • [学会発表] 2-ヒドロキシカルコンの転位反応を用いるベンゾフランの合成研究2017

    • 著者名/発表者名
      中村光,今宮彰良,坂井田楓,三木康義,前川智弘
    • 学会等名
      日本プロセス化学会2017サマーシンポジウム
  • [学会発表] カルコンの超原子価ヨウ素試薬による転位反応を利用したベンゾフラン合成2017

    • 著者名/発表者名
      中村光,今宮彰良,坂井田楓,谷上絢一,三木康義,前川智弘
    • 学会等名
      第37回有機合成若手セミナー
  • [学会発表] ケトキシムの転位反応を利用した 1,5-二置換テトラゾールの合成研究2017

    • 著者名/発表者名
      中村光, 柳綾沙美, 森下かんな, 前川智弘
    • 学会等名
      第47回複素環化学討論会

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公開日: 2018-12-17  

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