本研究の目的は、LC-MS/MS及びIMSを用い、微量組織切片中スフィンゴ脂質の含有量、細胞間濃度勾配及び分布局在を分子マッピングにて解析し、脂質メディエーターとしての作用を明らかにすることである。 初めに、LC-MS/MS測定及びIMS測定に用いる組織の前処理において、ヒートスタビライザーによる組織萎縮無しにスフィンゴ脂質を安定して測定する条件を最適化し、赤脾髄及び白脾髄に含有されるスフィンゴ脂質分布の違いを明らかにした。さらに、LC-MS/MSを用いる微量がん組織におけるスフィンゴ脂質解析から、がん部におけるスフィンゴ脂質定量値とSPHKあるいはSPL発現量の相関を明らかにした。
|