Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のリガンドには、Gタンパク質とアレスチンを介したシグナル伝達経路の一方を選択的に活性化するものが知られており、この現象を「シグナルバイアス」と呼ぶ。本研究では、薬理学的に重要なGPCRについて、メチオニンメチル基に由来するNMRシグナルを、通常のリガンドが結合した状態とバイアスリガンドが結合した状態で解析した。その結果、GPCRは不活性型構造に加えて複数の活性型構造をとること、複数の活性型構造の割合がGタンパク質およびアレスチンを介したシグナル伝達の強度を決定していることを明らかにした。
|