研究実績の概要 |
研究代表者はこれまでに、Uricase-HyPer融合タンパク質をコードするプラスミドベクターpcDNA-Uricase-HyPerを構築した。本年度は、以下の点に着目し評価系の最適化を行った。①細胞株 サル腎由来COS7細胞、チャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞、ヒト腎由来HEK293細胞に設計したプローブタンパク質Uricase-HyPerのプラスミドベクターをエレクトロポレーションし、遺伝子導入効率を比較した。尿酸トランスポーターとして知られるURAT1, GLUT9,ABCG2などの内在性発現を逆転写PCR法により評価し、COS7細胞と比較し内在性トランスポーターの発現量が低い細胞を選択した。②遺伝子導入法 尿酸トランスポーターURAT1とUricase-HyPerのベクターをエレクトロポレーションによりco-transfectionし、URAT1恒常発現株を用いた際と、発現効率及び尿酸添加時の蛍光変化を比較した。③尿酸検出反応時の細胞外液組成 URAT1はアニオン交換輸送を行うため、細胞外液中の塩化物イオンに輸送阻害を受ける(Nature 417, 447, 2002)。よって、塩化物イオンフリー溶液に尿酸を溶解し、蛍光変化が増強されるか検討した。 上記で決定した最適条件を用い、URAT1/Uricase-HyPer共発現細胞に、尿酸とURAT1阻害薬ベンズブロマロン、プロベネシド、ロサルタンを添加した条件下で、経時的な蛍光変化をプレートリーダーにより測定した。対照として、URAT1機能欠損変異体URAT1W258Xを導入した細胞株に同様の実験を行った。さらに、蛍光変化からIC50値を算出した。
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