本研究では、難治性がんを標的可能な高性能細胞製剤の開発を目的として、腫瘍集積性を有する間葉系幹細胞を用いて抗腫瘍型間葉系幹細胞の開発を行った。まず、アビジン-ビオチン複合体法を応用することによりマウス間葉系幹細胞株C3H10T1/2細胞の表面に対して抗がん剤であるドキソルビシンを封入したリポソームを修飾することに成功した。また、遺伝子導入法を用いることによりinterferon gamma放出C3H10T1/2細胞の樹立に成功した。これらの抗腫瘍型C3H10T1/2細胞は高い抗腫瘍効果を示したことから、本法を応用することで間葉系幹細胞を用いたがん標的治療法の可能性を示した。
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