神経発達症とは,自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠損多動症を始めとする中枢神経系の機能障害である。本研究では,胎児期および新生児期における小胞体ストレス負荷が神経回路構築に及ぼす影響を解析した。 小胞体ストレスは,神経細胞の樹状突起伸長を抑制させることが明らかとなった。また,小胞体ストレスは,シナプスオーガナイザーの発現を低下させることが明らかとなった。さらに,4-フェニル酪酸(4-PBA)は,ASDモデルマウスにおいて認められる社会相互性の異常を改善させた。つまり,ASD発症において,小胞体ストレスが関与することは明らかである。
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