28年度は、マレーシア産キョウチクトウ科Leuconotis griffithiiの樹皮の成分検索を行った結果、3種の新規ビスモノテルペンインドールアルカロイドcompound B~Dを単離し、その構造を各種スペクトルデータにより明らかにした。compound Bはeburnane骨格の16位とaspidosperma骨格の10位が結合し、さらにaspidosperma骨格の1位にホルミル基が結合した新規骨格を有する構造である。compound Cはeburnane骨格の16位とaspidosperma骨格の12位が結合し、さらにeburnane骨格のC環が芳香化した構造である。compound Dはspiroeburnane骨格の16位とaspidosperma骨格の12位が結合した新規骨格を有する構造である。 単離したアルカロイドについてA549細胞に対する細胞増殖阻害活性を評価したところ、compound A、B、Dが活性を示し、その機構はオートファジーによる細胞死であることを見出した。compound Aはbisleuconothine AのN-ホルミル体であるが、同等の活性を示したことから2つの化合物の表面上の変化は乏しいことが窺える。compound Cは他に比べて水溶性が高い構造をしており、そのことが活性を減弱していると考察した。また、compound DはBより活性が弱く、spiroebunane骨格の構造が活性値に影響を及ぼすと考えた。
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