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2016 年度 実施状況報告書

体温と血流量を指標とした睡眠改善物質探索のための新規アッセイ法

研究課題

研究課題/領域番号 15K18892
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

小川 優子  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (00454497)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード睡眠 / 体温変動 / 末梢血流量 / チコリ / 抑肝散
研究実績の概要

1) チコリに含まれる睡眠改善物質の探索
チコリ(Cichorium intybus)の地上部について熱水抽出エキスを作成し、活性を指標に成分の分離を行った結果、2種類の化合物を単離した。また、各種スペクトル解析の結果から、化合物1をtaraxafolin B、化合物2をchicoric acidと同定した。
2) 抑肝散の睡眠改善効果に対する構成生薬の働きに関する検討
抑肝散の構成生薬は、①生薬単体で活性に関与するもの(チョウトウコウ、センキュウ、サイコ)②生薬単体では活性を示さないが、他の生薬をサポートすることにより活性に関与するもの(ブクリョウ、ソウジュツ、カンゾウ)、③単体で活性を示す一方で他の生薬サポートも行うもの(トウキ)の3種類に分類出来る。今年度は、②の生薬に注目し、ブクリョウ、ソウジュツ、カンゾウの3種類混合エキス、2種類ずつ抽出したエキスを作成し、得られたエキスの活性を検討した。その結果、ブクリョウ、ソウジュツ、カンゾウは3種類を混合することで活性を示し、2種類ずつの抽出したエキスや、個別に抽出した後、抽出液を3種類混合したエキスは活性を示さないことを明らかにした。また、今回活性を示した生薬が入った漢方方剤は睡眠改善効果を示すのかを検討するため、活性生薬を含む他の漢方方剤について活性の検討を行った。
3) 睡眠改善効果を示す天然物のスクリーニング
現在、睡眠改善効果があるとされている天然由来エキスを作成し、睡眠導入時の体温変動を指標にしたアッセイ法を用いることで、新規睡眠改善物質のスクリーニングを行った。今回はキンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)および月桂樹(Laurus nobilis)についていずれも熱水抽出エキスを作成し、活性の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

チコリからの活性成分の単離が予定外に進まなかった。
単離方法が効率的ではなかったことも原因であるが、活性画分には今回単離した2種類の化合物と糖質がメインに含まれており、その他は微量成分(類縁体、異性体)が大量に含まれている印象を受けた。
また、エキスを抽出する段階で気づいたことだが、植物の採集時期によって成分が異なることが分かり、エキスを随時抽出することが困難であった。
一方、抑肝散に関する研究は当初の計画に近いかたちで進んでいる。

今後の研究の推進方策

1) チコリから活性成分の単離
チコリからの単離が難航しているため、今回単離した2種類の化合物(taraxafolin Bおよびchicoric acid)の類縁化合物について、標準品を購入してスクリーニングを行う。得られた結果から構造活性相関を行う。
2) 抑肝散の睡眠改善効果に対する構成生薬の働きに対する検討
平成28年度の結果から、3種類の生薬を混合して抽出した場合と3種類の生薬を個別抽出して混合したエキスでは、活性に違いが認められた。そこで今年度はHPLCを用いて各種エキスの成分分析を行い、抽出の違いが成分に及ぼす影響を検討する。
3) 天然資源の新機能探索を目的として、睡眠改善効果を示す可能性がある植物のスクリーニングを行う。

次年度使用額が生じた理由

実験の終盤において血流計が故障し、使用出来なかった時期が続いた。
修理を行うにあたり、担当者と何度もメールでやり取りを行い回復を試みたが、改善しないため業者の担当者にラボまで直接来て貰い、状況確認を行なった。しかし、どれも該当する理由がなく、原因不明のまま使用出来ない時期が数ヶ月続いた。デモ機のレンタルも視野に入れたが、デモ機が混み合っており予約待ちの状況で、年度内のレンタルすることが出来なかった。この間に実験が一時中断になったことが主な原因と考えられる。年度が明けた頃にようやく原因が解明し、部品の取り寄せを行ない、現在は修繕から戻って来るのを待っている状況である。

次年度使用額の使用計画

残高は血流計の修繕費に当てる予定である。
また、今回の修繕量に今年度の残高だけでは足りないため、残りは次年度の予算から捻出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 体温および血流量変動を指標とした睡眠改善物質探索のための新規アッセイ法の開発と応用2016

    • 著者名/発表者名
      小川優子、南澤彩奈、夛田幸恵、藤井悠子、杉山令奈、小西 天二
    • 学会等名
      第21回 天然薬物の開発と応用シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2016-10-27 – 2016-10-28
  • [学会発表] The variation of skin blood flow after administration of sleep-promotoing substances2016

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogawa, Ayana Minamizawa, Sachie Tada, Tenji Konishi
    • 学会等名
      第39回 日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-07-20 – 2016-07-22

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公開日: 2018-01-16  

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