筆者らはマウスの脳波測定を用い、人が本来持つ睡眠調節機能を促進する物質を天然から探索することを目的に研究を行ってきた。しかし、脳波測定は測定前の準備や測定後の解析に時間と手間がかかることから、スクリーニング法としては適さない。そこで、睡眠導入時に起こる体温変動に注目した、睡眠改善物質探索のための新規アッセイ法を開発した。本研究では新規アッセイ法を用い、天然から睡眠調節機能を促進する物質の探索を目指した。 一方、本アッセイ法の応用例として、睡眠改善効果を示す漢方処方である抑肝散に適用し、抑肝散としての薬効に7種類の構成生薬がそれぞれどのように関与しているのかを検討した。
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