近年、生薬の品質評価では、昔ながらの官能試験や化学分析に加え、DNA情報を利用した原料植物の確認も行われている。DNA鑑別は、試料から得られた塩基配列と公共データベースに登録された植物の塩基配列の比較によって行われるが、登録された配列のもとの植物は必ずしも正しいものばかりではなかった。本研究では、植物形態学の専門家が正しく同定した標本からDNAを得て、データベースに登録することにより、DNA鑑別時の「お手本」となる塩基配列の情報を提供した。生薬の品質評価がより正確かつスピーディーになることによって、安心安全安価な医薬品の安定的な供給が継続されることを期待する。
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