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2015 年度 実施状況報告書

環状ペプチドの低分子リード化

研究課題

研究課題/領域番号 15K18897
研究機関北海道大学

研究代表者

一ノ瀬 亘  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 特別研究員(PD) (00636409)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードバーチャルスクリーニング / ペプチドミメティック
研究実績の概要

環状ペプチドと標的タンパク質の結晶構造解析データから活性配座探索を行った。共同研究者の産総研、広川貴次博士と協力して複数の計算化学ソフトを用いた解析を行った。環状ペプチド-タンパク質間の結合で最も有効に働いたアミノ酸残基が二つのアルギニンと二つのトリプトファンであり、計4残基の側鎖部位の三次元配置をファーマコフォアに設定した。
次にシクロプロパン骨格に上述のアミノ酸残基を有する化合物となるペプチドミメティックを設計し、計算ソフト上でバーチャルライブラリーを作成した。このライブラリーには各化合物の側鎖の配向などが異なる立体配座が含まれる。前述したファーマコフォアにフィットする配座を選別し、さらにタンパク質とのドッキング評価を行った。ドッキングした状態での配座を調べると、シクロプロパン歪みの配座制御が有効であることが分かった。またドッキングにおいて上位の評価を得た配座において分子動力学計算を行い、短時間ではあるもののタンパク質から解離する様子は観察されなかった。また、評価上位の化合物のシクロプロパン骨格と側鎖の組み合わせには偏りがあったため、この骨格を有し、側鎖長の異なる化合物を実際に合成するフォーカスライブラリーとした。
さらに本ペプチドミメティックライブラリーの合成法の検討を行った。研究開始当初、中間体をグラムスケールで合成していたが、その後の変換において文献上可能とされていた保護基の外し分けにおいて選択性が得られなかった。本経路ではライブラリー合成の共通中間体まで十分量を用意するには困難であることが分かった。そこで合成ルートを再計画し、側鎖構築の順番および一部保護基を変更したルートを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では初年度に活性配座探索からバーチャルスクリーニング、フォーカスライブラリーの決定に加え、ライブラリーの合成と薬理活性評価まで行う予定であった。しかし、化合物合成ルートの確立において予期していない検討を行う必要となり、遅れを生じてしまった。

今後の研究の推進方策

フォーカスライブラリーの合成が完了次第、加水分解条件、酵素存在下などでの分子の安定性、細胞膜透過性の評価を行っていく。各種評価を元に活性配座を精密化し、ドラックライクな二次ライブラリーを計画し、合成および評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度の使用において当初の計画よりも合成の検討に時間を要し、ライブラリー合成に必要な多数の試薬購入が遅れているため。

次年度使用額の使用計画

合成実験において目的のライブラリー合成を迅速に完了すべく、様々な試薬を検討に用いる。
当初のライブラリー合成だけでなく、構造活性相関を見据えたより広範な化合物合成を行う。その際必要な試薬を購入するために使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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