研究課題
レゾルビンE2の5位、18位水酸基の除去が抗炎症活性にどのような影響を与えるかを検証する目的で、平成27年度にレゾルビンE2の合成方法と同様にして5-デオキシレゾルビンE2、18-デオキシレゾルビンE2、5,18-ジデオキシレゾルビンE2を合成した。平成28年度ではこれら合成した類縁体の抗炎症活性について評価した。すなわち、炎症モデルマウスを作製し腹腔内に合成した化合物を投与したところ、5-デオキシレゾルビンE2、18-デオキシレゾルビンE2、5,18-ジデオキシレゾルビンE2はレゾルビンE2と同等以上の抗炎症活性を示した。従って、水酸基が生物活性に関わっておらず、水酸基から炭素鎖を伸ばしビオチン等を導入できることが示唆された。次に、5位あるいは18位水酸基からリンカーを伸ばしたシクロプロパンを導入したレゾルビンE2を合成することとした。まず、レゾルビンE2を合成するときに用いた18位水酸基を含むユニットに対して、アルキル化でリンカーを導入した。このリンカーの先端をフタルイミドとして後から温和な条件で脱保護ができ、容易にリンカーを伸ばせるように工夫した。調製したユニットと以前に調製した光学活性なシクロプロパンユニットおよび5位水酸基を含むエステルユニットを薗頭カップリングで連結して、保護された18位水酸基からリンカーを伸ばしたシクロプロパンを導入したレゾルビンE2とした。今後、同様にして5位水酸基からリンカーを伸ばしたシクロプロパンを導入したレゾルビンE2を合成して、それらの抗炎症活性について評価する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)
Organic Letters
巻: 18 ページ: 6224-6227
10.1021/acs.orglett.6b02612