研究課題/領域番号 |
15K18899
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
川口 充康 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10735682)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Sirtuin / ワールブルグ効果 |
研究実績の概要 |
SIRT6活性化剤をケミカルライブラリーよりスクリーニングするために、蛍光偏光法を利用したSIRT6活性評価系の構築を予定していた。しかしながら、様々な検討の中から、予定していた評価系以上に簡便にSIRTs活性を検出可能な系の構築に成功した。その系ではFRET型の蛍光プローブを用いて蛍光強度を観察するのみでSIRT活性を評価できるため、蛍光偏光法は必要ではなく益々簡便であった。SIRTsが長鎖脂肪酸を認識・脱アシル化する知見に基づき、Dabcyl基のような消光団をも切断するのではないかとの仮説を立て、それを実証することより達成されたものであり、独自性の高い手法と考えている。 合成した蛍光プローブはSIRT6活性を高感度かつ簡便に検出することが可能なだけでなく、長鎖脂肪酸を脱アシル化することが知られているSIRT1, 2, 3活性も簡便に評価することが可能であった。また、既存の阻害剤・活性化剤の活性を精確かつ迅速に評価することが可能であることから、大規模なケミカルスクリーニングに適した評価系の構築が達成できたと考えられる。 蛍光プローブ、酵素濃度などアッセイ条件の最適化を行い、実際にケミカルスクリーニングを東大創薬機構より9600化合物の供与を受けて実施した。その結果、SIRT6活性を阻害或いは活性化する化合物候補を幾つか得ることに成功した。ただし、得られた化合物が真にSIRT6阻害剤・活性化剤かに関する評価は行えていないため、今後まずその評価より進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価系の構築に最も苦戦することが予想されたが、その構築には既に成功し実際にケミカルスクリーニングを実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書通り、得られているSIRT6阻害剤・活性化剤の構造最適化を行うとともに細胞応用を行うことにより抗腫瘍活性の評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が当初の予定より少なく済んだことがその理由に挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は合成を中心に行い、細胞評価なども同時に行うことから、当初の計画以上に物品費を多く必要とすると考えられる。従って、昨年度の残りの助成金は有効に活用できると考えられる。
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