昨年度までに構築した簡便なSirtuin活性蛍光検出系では、検出可能なSirtuin活性は一部のサブタイプに限られていた。細胞などへの応用を考慮した場合には利点となるが、in vitroで活性を評価する場合には十分機能を発揮しているとは言えない。そこで、これまでに検出できなかったSirtuin活性に関しても簡便に検出可能とするためペプチド配列や消光団の精査を行い達成を目指している。具体的には、一般的なSirtuinの認識配列であるヒストン配列に限らず、個々のSirtuinがより特異的に認識することが知られているペプチド配列を用いている。 また、昨年度にケミカルスクリーニングから得られたSIRT6の阻害剤、活性化剤に関しては構造展開を行い構造活性相関を評価している。独自に構築した評価系ではSIRT6の脱アシル化活性を評価し、同時に市販の評価系を用いて脱アセチル化活性を評価することでそれぞれに対する阻害活性などを評価した結果、一方のみを特異的に阻害する化合物を見出すことができた。その化合物に関しては更なる展開・評価を予定している。
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