Ertredinは、NIH3T3細胞を用いた足場非依存的細胞増殖阻害物質の探索研究により見出された化合物であり、その活性、物性にはまだ改善の余地があり、作用機序の解明も求められていた。そこで、本研究課題を考案した。 活性発現に重要な役割を担っている部位を各官能基に注目して構造活性相関研究を展開することで明らかにした。評価系にヒト肺胞基底上皮腺がん細胞A549を加え、多角的に化合物を評価することによりErtredinより強い活性を示す化合物を見出すことができた。本化合物はミトコンドリア呼吸鎖複合体Iに対し作用し、その下流のSTAT3リン酸化抑制を誘導することで活性発現していると推察される。
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