本研究では、がん患者における化学療法、放射線療法の副作用として発症する口腔粘膜炎に対する治療戦略を整理するとともに、口腔粘膜炎の疼痛に対する有用性が高いと考えられるインドメタシンスプレー(院内製剤)について評価した。このスプレー(院内製剤)を28名の口腔粘膜炎を発症したがん患者に対して使用したところ、このうち26名(93%)で鎮痛効果が認められた。また、7名の血液がん患者においてインドメタシンの吸収量を評価したところ、湿布薬などと同じ程度であることを明らかにした。以上より、インドメタシンスプレーは、がん患者に発症した口腔粘膜炎に対して有効であり、かつ安全な製剤である可能性が考えられた。
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