ARB投与患者の平均1日処方量を計算し、特定の薬剤を併用する患者群と併用しない患者群の間で処方量の平均値が異なるARBを探索した。最も処方量が多かったバルサルタンについて、併用患者数が多いアスピリン、添付文書に併用注意が記載されているロキソプロフェン等の併用/非併用患者におけるバルサルタンの投与量平均値と標準誤差を比較した。これらの薬剤については併用/非併用患者でバルサルタンの投与量平均値に違いが見られなかった。その原因として、降圧薬は薬効の発現により投与量が変更されるため、体内薬物動態の変化が投与量変化に表現されるまでタイムラグが生じていると考えられた。このことから、相互作用を検討する薬剤に血中濃度測定を臨床で実施する免疫抑制剤とした。 ポジティブコントロールとしてタクロリムスとの相互作用が最も大きいとされるクラリスロマイシンを併用し、タクロリムス血中濃度の推移を検討した。浜松医大病院が所有する医療情報データベースのほか、商用医療情報データベースを購入して検討した。 クラリスロマイシン併用前後の血中濃度を比較したが、非併用時の濃度変化が大きいため併用による濃度推移の変化に規則性が見いだせなかった。
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