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2016 年度 実績報告書

補体活性化ポリマー修飾リポソームを用いた新規がんワクチン開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K18921
研究機関徳島大学

研究代表者

清水 太郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 特任助教 (30749388)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード癌 / 免疫学 / 補体 / 辺縁帯B細胞 / ワクチン
研究実績の概要

本研究では、自然免疫系の1つである補体の活性化を利用して抗原を脾臓辺縁帯B 細胞(MZ-B)に送達し、長期に及ぶ抗腫瘍免疫の誘導を試みる。本提案は、抗原送達キャリアであるリポソームとMZ-Bとの相互作用に補体/補体受容体が関与するという研究代表者による発見に基づく。前年度の研究から、従来使用されてきたメトキシ末端ポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソームではなく、ヒドロキシ末端PEG修飾リポソームを用いることで、補体を効率的に活性化し、in vitroにおいてMZ-Bに効率的に取り込まれることを明らかにした。しかし、in vivoにおける取り込みは十分ではなかった。当該年度は、in vivoにおけるMZ-Bへの抗原送達効率の向上とそれに伴う抗腫瘍免疫誘導効果について検討を行った。
まずPEGの修飾密度について検討した。PEG修飾密度を5%から2%に変更することにより、in vivoにおけるMZ-Bのリポソーム取り込み量が有意に増加した。また2%メトキシ末端PEG修飾リポソームよりも、2%ヒドロキシ末端PEG修飾リポソームの方が、MZ-Bに多量に取り込まれた。続いて粒子径の影響について検討した。粒子径を100 nmから400 nmに変更することにより、脾臓移行量は増大したがMZ-Bによる取り込み量に変化は見られなかった。最後に、これらのリポソームに抗原およびアジュバントを封入し、細胞傷害性T細胞の誘導を評価したところ、2%のヒドロキシ末端PEG修飾リポソームが最も高い誘導能を示した。
以上のように、補体を効率的に活性化できる2%のヒドロキシ末端PEG修飾リポソームは、抗原をMZ-Bへと効率的に送達でき、抗原特異的細胞傷害性T細胞を増強できることが明らかになった。がん抗原を搭載した本キャリアは、MZ-Bを標的とした新規がんワクチンとして機能することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Liposomal oxaliplatin has superior immunomodulation effect to free oxaliplatin on tumor immune microenvironment2016

    • 著者名/発表者名
      Taro Shimizu, Tatsuhiro Ishida
    • 学会等名
      第45回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
    • 年月日
      2016-12-05 – 2016-12-07
  • [学会発表] 脾臓辺縁帯B細胞を標的としたリポソームワクチンの開発2016

    • 著者名/発表者名
      清水 太郎, 渡辺 優希, 美馬 優, 際田 弘志, 石田 竜弘
    • 学会等名
      第25回DDSカンファランス
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡県静岡市)
    • 年月日
      2016-09-02 – 2016-09-02
  • [学会発表] 脾臓辺縁帯B細胞を標的としたワクチンによる新規がん治療法の開発2016

    • 著者名/発表者名
      清水 太郎
    • 学会等名
      第41回製剤・創剤セミナー
    • 発表場所
      淡路夢舞台国際会議場(兵庫県淡路市)
    • 年月日
      2016-08-25 – 2016-08-26
  • [学会発表] 脾臓辺縁帯B細胞標的化能をもつポリマー修飾リポソームの探索2016

    • 著者名/発表者名
      粟田 瑞希, 吉岡 千尋, 渡辺 優希, 清水 太郎, 石田 竜弘
    • 学会等名
      第32回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡県静岡市)
    • 年月日
      2016-06-30 – 2016-07-01
  • [学会発表] Development of a unique vaccine by using immune response against intravenously injected PEGylated liposomes2016

    • 著者名/発表者名
      Taro Shimizu
    • 学会等名
      Seminars in Nanomedicine
    • 発表場所
      ブダペスト(ハンガリー)
    • 年月日
      2016-06-21 – 2016-06-21

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公開日: 2018-01-16  

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