近年増加傾向にある深在性真菌症には、粘膜ワクチンによる予防あるいは治療が有効だと考えられる。近年申請者は、正電荷リポソーム(DOTAP/DC-cholリポソーム)が種々の蛋白質抗原に対し、経鼻粘膜投与型の粘膜アジュバントとして機能することを報告している。そこで本研究では、真菌症ワクチンの開発を目的とし検討をおこなった。その結果、DOTAP/DC-cholリポソームを粘膜アジュバントとして用いることで、Candida albicansおよびAspergillus fumigatus抗原に対し抗原特異的粘膜IgA、全身IgGおよびTh17応答を誘導可能な粘膜ワクチンシステムの構築に成功した。
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