フッ化ピリミジン系抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)の血漿中濃度を用いたがん化学療法の個別化を目的に、母集団薬物動態解析および薬物動態-薬力学的(PK-PD)モデル解析を駆使し、血漿中濃度の個体間、個体内変動を評価するとともに、薬効・毒性発現との関係を定量的に評価した。その結果、5-FUクリアランスの日内変動パターンを把握できたと同時に、骨髄抑制発現・重篤度を予測可能なPK-PDモデル構築に成功した。これらの知見は、5-FU血漿中濃度を用いた化学療法の個別化に貢献し得るとともに、治療成績の向上のみならず、科学的根拠に基づいた投与設計により医療費削減も期待される。
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