禁煙補助薬バレニクリンは禁煙成功率が高いが、心血管イベントのリスク上昇が報告された。そこで、バレニクリン服用患者の背景を考慮し慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるバレニクリンの心血管イベント発症リスクを検討した。ブタ膵エラスターゼ(PPE)誘発COPD病態の動脈硬化症モデルマウスにバレニクリンを投与し、動脈硬化巣を評価した。その結果、バレニクリンは動脈硬化巣を増悪させたが、COPD病態ではバレニクリンにより、有意でないが増悪傾向であった。一方、バレニクリンはPPEによる肺胞径拡大を抑制した。このように、バレニクリンによる肺保護作用により、COPDで増悪する動脈硬化巣が抑制されたかもしれない。
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