粘液などの鼻腔物理的バリアは異物の侵入を防いでおり、経鼻ワクチンに対しても障壁となっている可能性がある。そこで、申請者がこれまでに開発したclaudin-4指向性分子であるC-CPEを用いた経鼻肺炎球菌ワクチン (PspA-C-CPE)を粘液貯留の認められるTtll1欠損マウスに投与したところ、鼻腔での免疫誘導組織であるNALT周辺の過剰な粘液により、PspA-C-CPEのNALTへの結合不全が生じた。これにより胚中心形成異常が認められ、粘膜免疫誘導も低下した。一方、粘液を除くことによりこれらの粘膜免疫誘導低下は回復した。すなわち、過剰な粘液が経鼻ワクチンの障壁となりうることを明らかにした。
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