毛様体筋は眼の遠近調節に関わる平滑筋で素早い収縮応答とそれに引き続く持続的な収縮というユニークな収縮特性を持っている。血管や消化管などの平滑筋では分子モーターであるミオシンというタンパク質がリン酸化されることで収縮のスイッチがONになり収縮が起こるが、毛様体筋ではこのスイッチが収縮弛緩の状態にかかわらず常にONであることが判明した。そのため毛様体筋では別のスイッチが働いていると考えられた。この未知のスイッチは細胞内のカルシウム濃度の上昇に反応してONになり、ミオシンリン酸化スイッチよりも素早い収縮応答を可能にしていると考えられる。
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