撫で刺激を幼若期から繰り返し与えることで、ラットが成長後、撫で刺激を好むようになり、不安が低下したり、撫でてくれる人を嗜好したりするようになることがわかった。ホルモンの一種であるオキシトシンは生殖や社会行動に大きく影響を及ぼす因子であることが知られている。撫でられることを好むラットは、撫でられる時にオキシトシンを産生する特定の領域の神経細胞が活性化することが明らかになった。このことから、撫で刺激により快情動がもたらされ、不安が低下する現象の背景に特定の領域のオキシトシン産生細胞が関与する可能性が示された。撫で刺激がもたらす生物学的な機能とそのメカニズムを理解することに貢献した。
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