研究実績の概要 |
本年度は、昨年の予備的検討に引き続き、達成目標課題の一つである徐波睡眠増加に有効性の高い身体運動の探索の本実験を行った。健常成人15名を対象に、実験参加希望者には医師ならびに医療従事者の監督の下、実施される研究及び実験内容,予測される危険性, 自らの意志により実験を中止できることなど実験に関する十分な説明の後, 書面による同意を得た. 被験者は順応夜に参加後、非運動条件(運動なし)、運動条件の各条件に1週間のWashoutを挟んで、クロスオーバーで参加した。運動条件では、エルゴメータを用いた身体運動を日中複数回にわたり行った。どちらの条件においても、実験中の日中は深部体温、皮膚温などを連続測定し、1時間毎に眠気、気分、精神的疲労感、身体的疲労感、主観的評価を行った。またいずれの条件においても、運動後に(基準条件では、同時間帯に)認知機能評価を行った。夜間睡眠区間において、夜間睡眠ポリグラフ測定、生理機能評価(日中から引き続き)を、就床時と起床時に主観的評価を行った。この実験では、予備的検討の際の結果と同様に、運動条件では、非運動条件に比べ徐波睡眠量が有意に増加し、それに伴って深部体温が条件間で有意に異なることが明らかになった。
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