研究課題/領域番号 |
15K18981
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田原 優 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (80707399)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 概日時計 / 腸内細菌 / 肝臓 / 短鎖脂肪酸 |
研究実績の概要 |
概日時計とは、約 24 時間のリズム性をもった生理機構であり、睡眠・覚醒、ホルモン分泌、体温変動など、様々な機能を制御することで、恒常性維持に重要な役割を担っている。概日時計は あらゆる細胞に発現する時計遺伝子群による、約 24 時間の発現振動が主なメカニズムであり、そ の振動は様々な生理機能に重要な転写因子や受容体などの発現にも伝達されている。時計遺伝子 の変異マウスは様々な疾患を発症することから、概日時計を健康に維持することは、健康維持に 重要である。次世代シークエンスによる細菌叢の網羅的な解析が可能になり、今まで培養困難であった常在 細菌の研究はパラダイムシフトを経験した。腸内細菌叢の構成は腸内環境に反映され、宿主の栄 養、生理機能、老化、発癌、免疫などに大きな影響を及ぼす。また、腸内細菌叢の構成が日内変動することが最近報告された。しかし、腸内細菌叢と宿主の体内時計の関係については、まだ明らかになっていない部分が多い。そこで本研究では、腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸に着目し、腸内環境が宿主の体内時計に与える影響について解析を行った。初年度は、短鎖脂肪酸をマウスに経口投与することでマウスの末梢時計にどのような影響を与えるか解析した。現在までに、短鎖脂肪酸の投与時刻依存的に、末梢臓器の概日時計が前進したり後退したりすることが分かった。また、投与後2時間後に時計遺伝子の発現変化が急性に変化することも分かった。また、HPLCを用いた解析では、盲腸内における短鎖脂肪酸が概日変動していることも明らかにした。またこの変動は、食物繊維が少ない食事では消失することも分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則り、順調に研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、短鎖脂肪酸がいかに末梢時計に影響を与えるのかメカニズム解明を目指す。また、食物繊維の有無による、末梢時計の食事同調の差について研究を進めることで、プレバイオティクスによる時間栄養学を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
イメージング試薬の購入、シークエンスキットの購入を次年度に繰り越したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
イメージング試薬の購入、シークエンスキットの購入を行うことで、研究を加速していく。
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