近年、脳由来インスリンの存在を示唆する研究成果が相次いで報告されている。しかし脳由来インスリンの産生・分泌機序および生理機能については未だ不明である。本研究ではまずマウス脳におけるinsulin2の発現解析を行った。その結果、マウス脳内においてinsulin2 mRNAと前駆体が発現しており、インスリンがマウス脳内で合成されている可能性を示した。さらに神経細胞においてインスリンの分泌に関わっていることが予想されるアクチン細胞骨格の制御機構について解析を行った。その結果、アクチン重合因子の一つであるフォルミン蛋白質Fhod3が神経細胞のアクチン細胞骨格を制御していることを示唆する結果を得た。
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