研究実績の概要 |
現在当研究室では、ALSマウスとしてJAX社から購入したB6.Cg-Tg(SOD1-G93A1Gur/J)マウス(S群)を利用しており、同時に、ケラタン硫酸(KS)合成酵素であるGlcNAc6ST-1遺伝子を欠損させたKS欠損型ALSマウス(SG群)も利用している。雄個体を主に継代維持に使用することで、(SGヘテロ、Gヘテロ)を作製し、維持系統中であり、ALSマウス・KS欠損型ALSマウスを用いて運動機能評価(Rota-rod 15rpm・20rpm)、lifespanを検討した。S群との比較では、KS欠損型(SG群)においてlifespanは有意に短縮が見られた。Rota-rodを用いた運動機能評価では、15rpm・20rpmともに両群間で罹病期間(疾患進行度)に差はなく、life spanの差は疾患onsetの差によるものであった。 一方で、発病マウス(S群)とGlcNac6ST-1 -/- 発病マウス(SG群)の脊髄よりRNAを抽出し、遺伝子発減量の差をDNAマイクロアレイにて解析した。病態に関与していると思われる遺伝子について、その発現量をリアルタイムPCRにより確認した。 その結果、SG群では、塩基性ヘパリン結合性の分泌タンパク一群であるケモカイン(CCL2,CCL3,CCL4,CC5,CCL7,CCL12)の発現増加が認められた。またGAG bindingに関連するリガンド・レセプターのアップレギュレーションが同定された。M2ミクログリア遺伝子の発現誘導に関与する遺伝子群の選別を現在行っている。
|