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2015 年度 実施状況報告書

AxlとMerの双方を必要とするミクログリアの死細胞貪食機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K19009
研究機関大阪大学

研究代表者

柳橋 祐一  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (50611886)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードAxl / Mer / ミクログリア / 貪食
研究実績の概要

ノックアウトマウスを用いた解析により、ミクログリアは様々なマクロファージとは異なり、受容体型チロシンキナーゼであるAxlとMerの両方を用いて死細胞の貪食を行っていることが明らかになっている。この2つがどのように死細胞の貪食に関与しているかを明らかにするために、Axl、Tyro3、Gas6のノックアウトにより貪食活性を持たないNIH3T3細胞にAxlまたはMerを発現させてリガンドであるGas6の要求性を定量的に測定した。Gas6は死細胞表面に露出するホスファチジルセリン(PS)と受容体との橋渡しをする分子である。測定の結果、EC50の値はAxlの方がMerより約20倍低いことが明らかになった。一方で、これまでの研究でMerのノックアウトマウス由来のミクログリアは野生型のものと比べて貪食活性が大幅に減弱することが明らかになっている。このことからMerを介した貪食に注目し、Merを主に用いて貪食を行っている腹腔常在性マクロファージとの比較を行った。腹腔常在性マクロファージはPS結合タンパク質であるTim4とMerが協調的に働くことにより効率的に貪食を行っているが、このTim4の効果を定量的に調べると、MerのリガンドであるProtein SやGas6の要求性を大幅に減少させることが明らかになった。ミクログリアにはTim4は発現していないが、非常に効率よく貪食を行う。従って、Tim4以外のPS結合タンパク質の存在、または腹腔常在性マクロファージと比較して非常に下流にシグナルが入りやすい可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2つの受容体型チロシンキナーゼAxlとMer、それぞれの死細胞貪食におけるリガンドの選択性や活性の強さを定量的に評価することができた。このことはこの2つの受容体型チロシンキナーゼがミクログリアの貪食においてどのような役割を果たしているかをあきらかにするうえで足がかりになるものと考えられる。以上より、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

ミクログリアの死細胞貪食においてAxlおよびMerそれぞれが果たす役割について研究を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

既に購入済みの分子生物学的実験の物品が継続使用できたため。

次年度使用額の使用計画

細胞培養消耗品の購入や抗体、酵素類や実験動物の購入など

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Clearance of Apoptotic Cells and Pyrenocytes.2015

    • 著者名/発表者名
      Toda S, Nishi C, Yanagihashi Y, Segawa K, Nagata S
    • 雑誌名

      Current topics in developmental biology

      巻: 114 ページ: 267-95

    • DOI

      10.1016/bs.ctdb.2015.07.017

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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