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2016 年度 実績報告書

Hippo経路による骨・軟骨制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K19026
研究機関九州大学

研究代表者

後藤 裕樹  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (20734495)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードHippo経路 / シグナル伝達
研究実績の概要

Hippo経路は、細胞外力や細胞外基質などの微小環境を感知して細胞増殖を制御する細胞内シグナル経路として近年注目されている。本研究では、細胞外力を最も受け、細胞外基質にも富む、骨・軟骨組織に注目し、軟骨細胞・骨芽細胞に特異的なMOB1、YAP1、TAZ欠損マウスを作製し、解析を行った。具体的には、Ⅱ型コラーゲンCol2a1-Cre/ERTトランスジェニック(Tg)マウスを用いることで、タモキシフェン投与によって軟骨細胞特異的にMOB1、YAP1、TAZ欠損マウスを作製した。また、Sp7(Osterix)-tTA/tetO-Cre Tgマウスを用いることで、ドキシサイクリン除去により骨芽細胞特異的にMOB1、YAP1、TAZを欠損するマウスを作製した。Hippo経路の骨・軟骨組織特異的な欠損マウスを作製・解析して、(1)骨・軟骨細胞におけるHippo経路の生理的役割やその破綻病態、(2)骨・軟骨細胞腫瘍化へのHippo経路の関与の有無、及び(3)これらマウスにみられる表現型の分子メカニズムを解明することを目的としている。軟骨細胞特異的MOB1欠損マウスでは軟骨形成が抑制されて体長の短縮を認め、一方、骨芽細胞特異的MOB1欠損マウスでは骨芽細胞の増殖による骨硬化像を認めた。これらのMOB1欠損マウスにYAP1またはTAZ欠損マウスをかけ合わせたところ、その表現型の一部が改善され、YAP1またはTAZの発現上昇がこれらの表現型に関わっていることが示された。マイクロアレイの結果から、MOB1欠損の軟骨細胞では、細胞外基質遺伝子の発現低下を認めた。Hippo経路の遺伝子欠損マウスを解析することにより得られた知見は、骨芽細胞及び軟骨細胞の発生分化の分子メカニズムの解明及び加齢に伴う骨・軟骨疾患に効果的な治療薬や再生医療の開発につながると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] MOB1-YAP1/TAZ-NKX2.1 axis controls bronchioalveolar cell differentiation, adhesion and tumour formation.2017

    • 著者名/発表者名
      Otsubo K, Goto H, Nishio M, Kawamura K, Yanagi S, Nishie W, Sasaki T, Maehama T, Nishina H, Mimori K, Nakano T, Shimizu H, Mak TW, Nakao K, Nakanishi Y, Suzuki A.
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1038/onc.2017.58

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Hippo vs. Crab: tissue-specific functions of the mammalian Hippo pathway.2017

    • 著者名/発表者名
      Nishio M, Maehama T, Goto H, Nakatani K, Kato W, Omori H, Miyachi Y, Togashi H, Shimono Y, Suzuki A.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 22 ページ: 6-31

    • DOI

      10.1111/gtc.12461

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Targeting the Hippo Signaling Pathway for Cancer Treatment.2017

    • 著者名/発表者名
      Nakatani K, Maehama T, Nishio M, Goto H, Kato W, Omori H, Miyachi Y, Togashi H, Shimono Y, Suzuki A.
    • 雑誌名

      J Biochem.

      巻: 161 ページ: 237-244

    • DOI

      10.1093/jb/mvw074

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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