アルツハイマー病(AD)において、「酸化ストレス」が病態加速因子であることが提唱されている。酸化ストレスを防御するため、抗酸化物質グルタチオンが働くが、その量は老化や疾患に伴い減少する。ADモデルマウスであるAPPノックインマウス(APP-KI)においてもグルタチオン量は減少していた。本課題では、APP-KIにおけるグルタチオン減少のメカニズム、グルタチオン量減少がAD病理進行へ及ぼす影響を解析した。その結果、ADによる神経炎症はグルタチオン減少を介して酸化ストレスの悪化を引き起すこと、さらに酸化ストレスの悪化はさらなる神経炎症を引き起こして神経細胞死を惹起することを明らかにした。
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