研究実績の概要 |
ヒト乳癌組織の肺、脳、骨への遠隔転移の組織を用いて、免疫組織学的検討を行った。免疫染色ではCancer associated fibroblasts (CAFs)を同定し、間質細胞が本来であれば存在しない脳転移巣においても、CAFsが存在することを確認した。また、エストロゲン・プロゲステロン受容体の発現、HER2受容体の発現、MIB-1 indexについても検討し、原発巣と比較できるものについては、検討した。 次にヒトアストロサイトの培養細胞を用いて、共培養を行った。共培養したそれぞれ、アストロサイト、乳癌培養細胞からRNA, microRNAの抽出を行って、解析をした。アストロサイトと共培養することによる乳癌培養細胞の増殖能、遊走能の変化について、in vitroで検討を行った。また、アストロサイトの形態の変化についても、検討を行った。 ここまでの結果から、アストロサイトが乳癌細胞の増殖能に影響を与えること、アストロサイトとCAFsが異なる働きをすることがわかった。 今後、これらのデータの解析を継続し、乳癌の転移、特に脳転移について、アストロサイト、CAFsの果たす役割を免疫染色の結果やmicroarrayの結果と合わせて明らかにしたい。
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