質量顕微鏡法を用いて古典的ホジキンリンパ腫(Hodgkin-Reed Sternberg(HRS)細胞)に分布する網羅的な脂質解析を試みた。14検体の検討により7つのm/zで有意差が認められた。このうち、m/z 885.5はホジキンHRS細胞にて反応性リンパ球に対し減少し、残り6つのm/zは相対的に増加していた。MS/MS解析により、HRS細胞で減少するm/z885.5は成熟型ホスファチジルイノシトール(PI)(18:0/20:4)であり、増加を示すm/z はPI(18:0/18:1)やPI(18:0/18:2)などの多価不飽和脂肪酸を含まないde novo PIであることを見出した。
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