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2015 年度 実施状況報告書

細胆管細胞癌に特徴的な糖鎖発現プロファイルの同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K19049
研究機関福井大学

研究代表者

星野 瞳  福井大学, 医学部, 特命助教 (90500710)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード細胆管細胞癌 / EMA / 糖鎖
研究実績の概要

本研究課題では、癌細胞で特徴的な発現パターンを示す糖鎖の種類と役割解明を目的とし、肝原発性悪性腫瘍の中でも比較的まれで、発症機構が明らかにされていない細胆管細胞癌(CoCC)に焦点を当て、他の肝原発性悪性腫瘍とは異なった発現パターンを示すepithelial membrane antigen(EMA)の糖鎖構造を明らかにし、その病理診断への応用を目指す。
平成27年度は肝原発性悪性腫瘍に分類されるCoCC、肝内胆管癌(ICC)、肝細胞癌(HCC)の各組織型に特徴的な糖鎖の発現パターンを同定したのち、コアタンパク質であるEMAおよび糖鎖の発現を細胞株を用いて再現することにより、糖鎖によるコアタンパク質の機能を明らかにすることを目標とした。まずヒト組織における検討として手術標本の免疫組織染色を実施し、組織型によって糖鎖の発現パターンに違いがあることを確認した。次いで組織切片を用いて蛍光免疫組織染色を行ない、糖鎖の発現とEMAの発現パターンが類似することを明らかにした。糖鎖とEMAを細胞株で強制発現させ、免疫沈降法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、ウェスタンブロッティング法を用いて、この糖鎖がEMA上に発現することを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに手術標本26症例(CoCC 16症例、 ICC 5症例、HCC 5症例)についての解析を終えた。症例数をさらに増やして解析を行なうため、現在準備を進めている。予備実験の結果、免疫組織染色に用いた抗EMA抗体が免疫沈降法やウェスタンブロッティング法などの分子生物学的実験に適さないことが明らかとなったため、分子生物学的実験で汎用されるFLAGタグをEMAに付加する方法を採用し、EMA遺伝子をサブクローニングする際にFLAG配列を融合した。この遺伝子産物をin vitro実験に使用することで、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降が容易となった。

今後の研究の推進方策

平成28年度は糖鎖修飾されたEMAの機能解明を目指す。CoCCは比較的まれであるため、初代培養株を樹立することが困難であり、CoCC由来の細胞株は未だ樹立されていない。そこで現在入手可能なヒト胆管上皮細胞株のなかからEMA陽性の細胞株を選別し、糖鎖陽性群と陰性群に分けたうえで、次の実験を行なう。1)上面がマトリゲルで覆われたTrans-wellを用いて、細胞浸潤能、移動能を評価する。2)MTTアッセイキットを用いて、細胞の増殖能を評価する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A potential role for 6-sulfo sialyl Lewis X in metastasis of bladder urothelial carcinoma2015

    • 著者名/発表者名
      Minekatsu Taga, Hitomi Hoshino, Shulin Low, Yoshiaki Imamura, Hideaki Ito, Osamu Yokoyama, and Motohiro Kobayashi
    • 雑誌名

      Urologic Oncology

      巻: 33 ページ: 496.e1-496.e9

    • DOI

      10.1016/j.urolonc.2015.05.026

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] A potential role for 6-sulfo sialyl Lewis X in metastasis of bladder urothelial carcinoma2015

    • 著者名/発表者名
      Minekatsu Taga, Hitomi Hoshino, Shulin Low, and Motohiro Kobayashi
    • 学会等名
      Annual conference of the society for Glycobiology
    • 発表場所
      San Francisco, CA, USA
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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