本研究では硫酸化糖鎖が細胆管細胞癌のマーカーになるかどうかを検討した。正常肝の小径肝内胆管および細胆管細胞癌の細胆管様構造の内腔面に硫酸化糖鎖が優位に発現しており、後者では硫酸化糖鎖の発現とMUC1の発現が共局在していることを明らかにした。さらに胆管細胞における硫酸化糖鎖の生合成にN-アセチルグルコサミン-6-硫酸転移酵素(GlcNAc6ST-2)が関与していることを示した。以上の結果より、GlcNAc6ST-2依存性に生合成された硫酸化糖鎖で修飾されたMUC1が腺管の内腔面に発現することが細胆管に分化した胆管細胞の特徴であり、細胆管細胞癌のマーカーとしても利用可能であることを示した。
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