本研究では正常状態のマウス腸管においてCD8T細胞がオステオポンチン(Opn)を持続的に発現していることを見出した。腸管組織の中で腸管上皮内リンパ球(IEL)CD8T細胞が最もOpnの発現が高く、ほとんどがTCRγδであることが分かった。腸管内TCRγδ細胞は抗菌ペプチドを産生することによって、腸内細菌叢の恒常性維持に寄与していることが報告されている。Opn遺伝子欠損マウスでは糞便中の細菌叢が野生型マウスと比較して大きく変化しており、IEL TCRγδ細胞数が低下していることが分かった。野生型マウスのIELを単離してOpn抗体存在下で培養すると細胞の生存が低下することが分かった。
|