肺気腫罹患者の多くが喫煙者であるが、禁煙によって進行を止めることは難しい。その分子機序については未解明である。先行研究において、肺気腫では接着分子CADM1の酵素的切断(shedding)が亢進状態にあり、肺胞上皮のアポトーシスを誘導することを明らかにした。本研究では、喫煙誘起肺気腫マウスモデルを用いて、禁煙後も肺気腫が進行する機序について検討した。喫煙によって炎症反応が増強され、プロテアーゼ活性が上昇し、CADM1 sheddingが惹起する。禁煙後もプロテアーゼ活性上昇が継続することでCADM1 sheddingが亢進状態にあり、気腫化が進行することが示唆された。
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