PP6触媒サブユニット(Ppp6c)遺伝欠損アレルを作製し、Ppp6cヌルマウスが胎生致死であることを証明した。次に皮膚特異的にPpp6cを欠損させるシステムを作製し、Ppp6c欠損がマウスDMBA発がんにおいて強力な腫瘍プロモーション作用を持つことを証明した。組織学的な解析によりPpp6cの機能が欠損した皮膚では、DMBA投与48時間後、表皮の肥厚、真皮への細胞浸潤、皮下組織への細胞浸潤が見られ、増殖と炎症の病変が認められた。その原因の1つとして、Ppp6c機能欠損ケラチノサイトにおいて、TNF-α-やIL-1βによるNFkBシグナルの活性化が著しく増強される分子機構の存在を明らかにした。
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