研究課題/領域番号 |
15K19086
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
梅田 知伸 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (80514471)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 目的タンパク質の発現系の構築 |
研究実績の概要 |
新規抗マラリア薬の創製を目指し、熱帯熱マラリア原虫由来非メバロン酸経路酵素群の立体構造解析を目的として、標的タンパク質の大量発現系の構築を行った。昨年4月より所属が変わり、こちらでは設備の問題などもありなかなか研究を進めることが出来なかったが、前の所属で器具などを使わせて頂き研究に取り組んできた。 まず、大腸菌を用いた目的タンパク質の発現系の構築を目指した。マラリア原虫と大腸菌ではコドンが違う場合があり、効率よくタンパク質を発現させるためコドンの最適化を行ったものを鋳型としてPCRを行った。低温でのタンパク質発現に特化したベクターであるpColdシリーズを用いて大腸菌の形質転換を行った。そのうち二種類のタンパク質(A, B)について発現が見られ、可溶性画分に得られることが出来た。 タンパク質Aについて大腸菌を大量培養し大量発現させ、目精製条件の検討を行った。まずHis-tagを利用したアフィニティークロマトグラフィーを行いSDS-PAGEで確認したが、不純物が見られた。次にイオン交換クロマトグラフィーを行い、その後ゲルろ過クロマトグラフィーを行ったが、不純物を除き純度の高いタンパク質Aを得ることが出来なかった。 タンパク質Bについても、まずHis-tagを利用したアフィニティークロマトグラフィーを行い、その後ゲルろ過クロマトグラフィーを行った。SDS-PAGE上でほぼ純品のBを得ることが出来、結晶化実験を行いたかったが、収量が少なく結晶化は出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年4月より所属が変更となった。新しい所属先では、研究設備、機器などが不十分な状態であり、思うように研究に取り組むことが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今回発現系の構築が出来たタンパク質については、大量培養を行い、精製条件の検討を行って結晶化実験へと進めていきたい。結晶が得られたら、放射光施設でのX線回折実験を行い、構造解析へと繋げていきたい。 発現系の構築に至っていないタンパク質に関しては、他のベクターを使ってみる、培養条件を検討してみるなどしていく。それでも発現が見られない場合は、細胞など大腸菌以外の発現系を使っていくことも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度より所属が変更となり、設備等の問題もあり思うように研究を遂行することが出来なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
徐々に器具などを取り入れて頂き、研究できる環境も整いつつある。昨年も未使用分と合わせて、研究遂行上必要であるが高額な機器の購入を検討している。
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