本研究課題では日本脳炎ウイルス(JEV)のゲノム末端に存在する4組の相補配列がゲノム環状化を介して複製に関与するかどうかを解析した。その結果、ゲノム環状化に重要な相補配列とウイルス複製に重要な領域をそれぞれ決定した。また、ゲノム環状化に必要な領域はウイルス複製に関与するが、ウイルス複製に必要な領域がすべてゲノム環状化に重要であるとは限らないことが明らかになった。これらゲノム上の相補配列の機能は哺乳類細胞と蚊細胞において差は認められなかった。これらの知見は未だ開発段階の特異的治療薬の開発に貢献するものと考えられる。
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