SIV感染サルの凍結サンプルより各種細胞分画をSortingし、ウイルスゲノムを解析する系を樹立した。SIV感染サルの直腸、リンパ節などの組織および末梢血のCD4陽性細胞分画のプロウイルス解析の結果、ある複製制御個体では末梢血CD4陽性細胞分画でCTL逃避変異が少なかったが、直腸およびリンパ節では多くみられた。また別の個体の解析では、末梢血中のウイルスRNAと組織中のCD4陽性細胞分画のウイルスゲノム配列に差異があり、主なリザーバーとはならないものの独自の潜伏感染ウイルスを有する環境が体内に存在することが示唆された。本研究はSIV感染サルにおけるプロウイルスゲノムの体内分布の一端を解明した。
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