関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患の根治療法は依然として確立されていないが、ヘルパーT(Th)細胞がその発症病態に深く関与することが知られている。本研究では、2本鎖RNAのアデノシンをイノシンへと置換するRNA編集酵素ADAR2のTh細胞における機能解析を実施した。その結果、T細胞特異的ADAR2欠損マウスでは実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)が重症化しやすいこと、Th1やTh17細胞などの炎症性Th細胞が増加していることがを発見した。さらに、ADAR2がRNA編集活性非依存的にTh1細胞の分化を抑制する機能があることを見出した。
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