β5tの転写制御メカニズムを明らかにすることにより、上皮前駆細胞から皮質、髄質上皮細胞分岐を担う分子メカニズムの解明を目指した。Foxn1は胸腺器官形成に必須な転写因子であり、Foxn1欠損マウスではβ5t発現が検出されない。そこで、Foxn1がβ5t転写を制御する可能性について検討したところ、Foxn1は胸腺皮質上皮細胞においてβ5tタンパク翻訳開始点近傍の配列に結合し、β5tの発現を制御することが明らかになった。また、Foxn1によるβ5tの発現制御は、胸腺でのCD8+T細胞の適切な産生に重要であることが明らかになった。
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