研究課題/領域番号 |
15K19151
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金城 文 鳥取大学, 医学部, 講師 (50529427)
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研究期間 (年度) |
2015-03-01 – 2020-03-31
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 事前指示 / 終末期医療 / 地域在住高齢者 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
平成28年4月に所属大学の倫理審査を受けたところ、終末期に関する本人の意思を得ることについて、相続等の法的な問題が生じる可能性について疑義があった。そのため4月~7月にかけて所属大学の法学分野研究者に相談し、法的な問題が生じないことを確認したうえで研究計画書や調査票を作成し、8月に研究実施について倫理審査委員会から本研究実施の承認を得た。 4月から7月にかけては研究協力者を広く募るため鳥取県大山町で関係者との調整をおこなった。7月から11月までは、事前調査として、地域在住高齢者が終末期医療に対してどの程度の知識や情報を持ち、意見を持っているのかを把握するために、公民館単位でグループインタビューを合計3回、地域在住高齢者約100名を対象におこなった。その結果、地域在住高齢者では、終末期はメディアの情報等がたくさんあるが特に医療についてはイメージが湧かない、活発に話し合いたいと思っているがきっかけがない、事前意思を示したいがどのように示せばよいかもわからず実行に移せていない、状況であった。 グループインタビューを受けて質問紙を一部修正し、平成29年1月より研究対象者のリクルート、説明と同意の取得を対面でおこない、平成29年3月末までの時点で合計6名の初回インタビュー調査を終了した。6名は60歳以上、鳥取県大山町、福島県三春町、大阪府和泉市在住者である。事前意思の変化を追跡するには退職後以降の年齢からの年齢が好ましいと考え、対象者の年齢を60歳以上に変更した。インタビューが終了するごとに調査結果の質的データ分析を平行実施している。 平成29年4月以降も研究対象者への対面での説明と同意、初回面接し調査を継続実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査で法的問題についての疑義があり、半年ほど研究実施開始時期が遅れたため。また、私的理由(幼児がいること)により、勤務時間の短縮や急な変更、遠方への出張を控えているため、思うように調査実施と分析の時間を調整できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年4月以降も研究対象者への対面での説明と同意、初回面接し調査を継続実施する。すでに研究対象者になることを口頭で承諾してくれている方がおり(鳥取県、大阪府、島根県、沖縄県)、順次この方々と日程調整をおこないながら、対面にて説明と同意の取得、初回インタビュー調査をおこなっていく。また、昨年度同様、質的内容については、初回インタビュー実施直後に分析を並行して行う。また、高齢者の事前指示について情報収集、意見交換をおこなう予定で、平成29年5月にヨーロッパ緩和ケア学会(スペインにて開催)に参加予定である。 平成30年度、31年度は初回インタビュー終了者に対して、2回目フォローアップ調査をおこなう。加えて初回インタビュー調査の分析結果をまとめ、報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理審査の承認が遅れたこと、私的理由(子どもの発熱等)により、研究開始の時期が半年ほど後ろにずれこんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に情報収集や意見交換、研究対象者への調査を行う旅費に充当させる。
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