研究課題/領域番号 |
15K19151
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金城 文 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50529427)
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研究期間 (年度) |
2015-03-01 – 2023-03-31
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 事前指示 / 終末期医療 / 地域在住高齢者 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
令和4年3月末までに、65名に初回面接調査、19名に2回目追跡面接調査を実施した。研究参加者へ研究状況の報告と併せて、2回目調査の案内を送付し、令和3年度に2回目調査を実施する予定にしていたが、新型コロナウイルス感染症の広がりで2回目追跡調査は中止となった。 初回調査からは以下の点が明らかになった。(1)地域で生活する高齢者に終末期医療の意向を確認するとき、個別の医療行為について回答を得ることは難しい。介護や看取りの経験から各医療行為のイメージがつく者もいたが、迷いながら回答しており、質問者の説明次第で回答が変わる可能性が示唆された。(2)米国の生命維持治療に関する医師による指示書(Physician Orders Life-Sustaining Treatment:POLST)のように、痛みや不快を取り除くことを最優先とした医療を望むか、を確認すると回答が得られやすい。(3)「自分の意識があるかどうか」に言及される者が多く、終末期の意識状態がどのような医療をうけるかの判断に大きく影響していた。 2回目調査をおこなった19名については、1回目面接調査以降、2回目面接調査までの期間に、新たな病気への罹患や手術、身体の衰え、社会的な役割の変化などを経験した研究参加者がおり、今後自身に介護が必要になった場合についての不安が増していた者がいた一方、人生の最終段階において自身が受ける医療の基本的な考え方に大きな変化は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の内容から、書面やオンラインでの調査よりは、対面での面接調査が望ましいと考えている。しかし、新型コロナウイルス感染症による面会制限や移動制限のため、面接調査の中止が続いたため、2回目調査が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
残りの研究参加者の2回目調査を令和4年度に実施する。その結果を元に、1回目~2回目調査での人生の最終段階についての考え方の変化について分析し、まとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の広がりにより、面接調査が中止となり、使用する予定の旅費を使用しなかったため。
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