研究課題/領域番号 |
15K19153
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
菅原 亜紀子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40566808)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 継続診療 / コミュ二ケーション / 医学教育 / 模擬患者 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
現代の疾病構造は生活習慣病などの慢性疾患中心となっており、長期的視野を持って患者の健康問題をマネジメントするためのコミュニケーションスキルは、医師にとって重要なスキルといえる。本研究は、継続診療のコミュニケーションスキルを学ぶ模擬患者(Simulated Patient, SP)参加型教育プログラムを開発することを目的としており、多くの医療系教育機関で応用できるプログラムの確立を目指している。 「継続診療コミュニケーション教育プログラム」の実施と、有用性を検討するためのデータ収集を行うにあたり、平成28年度は「診療の継続性(Continuity of patient care)」の定義および概念について先行研究のレビューを行った。 「診療の継続性」には、継続(連続)する主体として「関係性」、「情報」、「地域・機関」の3種類があり、さらにそれぞれ継続(連続)の方向性として「横断的(水平面のつながり)」と「縦断的(時間的なつながり)」の2次元の連続性を持つことが明らかとなった。すなわち、「診療の継続性」として、1)家族など近親者とのつながり(関係性×横断的)、2)同一の医療者による長期的診療(関係性×縦断的)、3)他職種・他診療科との情報共有(情報×横断的)、4)情報の時間的連続性(情報×縦断的)、5)地域の保健医療福祉機関との連携(地域・機関×横断的)、6)同一の地域・機関における長期的診療(地域・機関×縦断的)の6つの側面にまとめられた。 「診療の継続性」の6つの側面の性質と意義について学習もができるよう、「継続診療コミュニケーション教育プログラム」を構築する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は「継続診療コミュニケーション教育プログラム」の実施とデータ収集を行う計画であったが、研究代表者の人事異動により、教育プログラム実施の場として予定していた授業およびSP養成の担当から離れ、当初の予定していた授業内での教育プログラムの実施が困難となった。教育プログラムの実施とデータ収集の場として、課外での講習会を検討するなど新たな研究実施体制の整備に時間を要したため、研究計画の遂行に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
学習者(医学生)のリクルートを行い、学内外の研究協力者とともに「継続診療コミュニケーション教育プログラム」を課外の講習会等で実施する。学習効果に関するデータ収集を行うと同時に、教育プログラムの問題点を修正し、汎用性のある有用な教育プログラムへと完成させる計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の人事異動により研究計画の遂行の遅れが生じたため、研究費についても次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
教材等資料の作成費、模擬患者・研究協力者の人件費、研究対象者への謝金として支出する。また、研究成果を公表するため、国内外での学会発表に係る旅費・参加費および学術雑誌への投稿・掲載料として支出する計画である。
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