研究実績の概要 |
学生は主に教育を通して、自らの学力面での自己概念を獲得するGardnerのいう自己教育という目標が実現されるためには、学校において知的技能以上のことを教えなければならない(Gender et al., 1963)。そこでの自己効力感というのは、難しい問題から生徒が何かを学習する際、生徒自ら評価する精神的努力と達成感とに強く関連している。このことは将来医師となり様々な難しい問題と直面する医学部生にとって、大変重要である。 教育学部において、戸倉(Tokura et al., 2011)らが、自己意識が学習の動機付けにどのような影響を与えているかを報告しているが、医学生を対象とした調査は本邦ではない。今回、我々は医学生が言う「やる気」を動機づけと自己意識に置き換えて調査し、内発的-外発的動機尺度の下位尺度である①知的好奇心、②達成、③挑戦、④因果律、⑤帰属、⑥楽しさ のうち、どの下位尺度による影響を多く受けるか、またその下位尺度と自己意識との関係を、性差・学年による違いを明らかにする。 H30年度は医学生12名、初期臨床研修医8名に対して、以下の尺度を含む調査票を用いる。 ①内発的-外発的動機づけ尺度(桜井・高野,1985):学習意欲度を測定。②チャルダーの疲労スケール(Chalder,1993):疲労度を測定。③学習目標志向速度(谷島・新井,1994):学習目標志向度を測定。④自己肯定意識尺度(平石,1990):自己肯定感の程度を測定。⑤特性的自己効力感尺度(成田ら,1995):自己効力感の程度を測定。⑥自意識尺度(菅原,1984):自意識の程度を測定。 を施行した。 H27年からは、のべ医学生62名、臨床研修医31名となった。医学生3,4年生で学習意欲が低下傾向であることがわかってきた。
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